応用情報技術者試験はITエンジニアの資格の1つで、多くの人が取っておきたいと思う資格です。
その合格率は24%と低く、しっかりと対策をしておくことが必要となります。
しかし、「過去問をどのくらい解けば合格できるのか」「どのくらい勉強したら合格できるのか」不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、応用情報技術者試験に合格するために必要な、
- 過去問を何年分解けばいいのか
- 過去問でどのように勉強すればいいのか
といった内容についてお伝えしていこうと思います!
【著者の紹介】
未経験でITエンジニアになった後、基本情報技術者試験に3か月の勉強で合格(2021年11月)。
その後3か月の勉強で応用情報技術者試験に合格(2022年6月)。
基本情報技術者試験合格のためにはこちら!
目次
過去問は5年分解けば安心!
結論として、応用情報技術者試験に合格するためには、過去問に5年分取り組むことが重要です!
そして過去問を解く際に重要なのが、できなかった問題をもう1回解いておく、ということです。
応用情報技術者試験の内容は過去問と類似の問題も多いため、過去問を解きっぱなしにするのではなく、しっかりと復習して解けない問題を解けるようにしておくことが重要です!
1回目に解けなかった問題だけでも再度取り組んでおくことで知識の定着につながりますし、解けた場合は自信につながると思います。
そのため、過去問は10年、20年分解く⋯というよりは、5年分を目安に一度挑戦してみて、できなかった問題をもう1回解いていくのがおすすめです。
応用情報技術者試験とは?
応用情報技術者試験とは、ITエンジニアの中でも高度IT人材になるための応用的知識や技能を持っていることを証明するための試験です。
合格することでITエンジニアとして幅広い知識を持つことを示すことができるため、業務や転職活動の際に有利になることが多くなります。
高度IT人材であることを証明する資格
応用情報技術者試験はIPA(情報処理推進機構)が実施している国家試験で、「高度IT人材となるために必要な応用知識・技能を持つ」ことを証明することができます。
高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:応用情報技術者試験
国家試験であるため自分の能力をアピールすることができ、ITエンジニアが昇進試験や転職活動で有利に働くこともよくあります。
某大手企業では管理職になるために応用情報技術者試験の資格が必須だったり⋯。
ITエンジニアとして仕事をしていくつもりであれば、取っておきたい資格の1つです。
費用は7500円!
応用情報技術者試験の受験料は、令和3年秋から税込み7500円となっています!
それまでは5700円だったため、かなり値上がりした印象を受けてしまいます⋯。
安くはない金額のため、しっかりと対策をして一発合格したいものです。
合格点は午前も午後も60点以上
応用情報技術者試験は選択式の午前問題と記述式の午後問題に分かれており、それぞれ合格点が6割以上の得点率となっています。
午前問題は選択式であり、過去問を中心に勉強しておけば6割の得点率を取ることは難しくありません。
ただし、午前問題は3つの分野(テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系)に分かれており、それぞれの分野で3割以上の得点率に達している必要があるので、注意してください。
一方の午後問題も6割以上の得点率で合格となりますが、記述式であり内容も午前問題より専門的なものが多いため、苦戦する人も多いです。
午前・午後問題それぞれにしっかりと対策をするようにしましょう!
試験時間は150分!
応用情報技術者試験は午前問題・午後問題ともに150分となっています。
午前問題は比較的時間が余る人が多いですが、午後問題は難易度がグッと上がるため、時間が足りないと感じる人が多いようです。
普段から時間を意識して過去問や模擬試験に取り組むようにし、150分で問題を解くことに慣れておきましょう!
合格率は24%!
IPAが発表した令和3年春季の応用情報技術者試験の合格率は24.0%でした。
およそ4人に3人が落ちる計算になるので、しっかりと勉強をして対策する必要があることが分かります。
また、合格者の内訳をみると、午前問題は56%の人が合格していたのに対し、午後問題は46%に合格者が減っています。
このことから、応用情報技術者試験に合格するためには、午後問題を重点的に対策する必要があることが分かります。
必要な勉強は?
応用情報技術者試験に合格するためには、
- 過去問を解く
- 参考書で知識を定着させる
この2点がとても重要です。
また、時間がない人は効率よく勉強するためにオンライン講座を活用することもおすすめします。
過去問
応用情報技術者試験の勉強に最も有効なのは過去問を使った勉強です。
応用情報技術者試験では過去の問題と同じ問題や類似の問題が出ることが多いため、過去問を使って対策をすることが最も有効です。
過去問は「過去問道場」というWebサイトで無料で挑戦することができます。
午前の問題に関しては、解答だけではなく解答の説明まで載っているという優れたサイトになっていますので、ぜひ取り組んでみてください!
参考書
応用情報技術者試験では幅広い知識が求められるため、参考書も必要です。
応用情報技術者試験では、システム開発やインフラ、セキュリティに関する知識はもちろん、2進数などの数学的な知識や経営に関する知識など、とても広い範囲の知識が求められます。
そのため、
- 「普段開発エンジニアだからインフラの問題が解けない⋯」
- 「数学が苦手で問題が解けない⋯」
と苦戦してしまう人が少なくありません。
こうならないためにも、幅広い知識を丁寧に解説してくれている参考書を買い、知識を定着させていくことが重要なのです!
午前おすすめの参考書「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」
初心者の方にもおすすめできる、イラスト多めの参考書です!
応用情報技術者試験で出題される幅広い知識のうち、試験でよく出る重要分野を網羅した参考書になっています。
また、初心者におすすめできるポイントとして、イラストを用いた説明が多いためイメージが湧きやすく、難しい専門知識も頭に入ってきやすいことがあげられます。
「応用情報技術者試験の知識がまだあやふや⋯」という人にぜひおすすめしたい参考書です!
午後おすすめの参考書「応用情報技術者 午後問題の重点対策」
応用情報技術者試験の午後問題に特化した参考書で、難しい過去問題を丁寧に解説してくれると共に、午後問題の傾向を学ぶことができます!
午後問題は専門的な知識が求められ、午前問題に合格しても午後問題に落ちてしまう人は少なくありません。
「応用情報技術者 午後問題の重点対策」では、過去に出題された午後問題のうち、各分野の重要な問題をまとめ、さらにその解法が丁寧に載っているという優れた参考書になっています。
各分野5問以上は過去問を取り上げてくれているので、この本で過去問演習をするだけで午後問題の得点率はグッと上がります!
また、午後問題の解法は過去問道場には載っていないため、こういった参考書で問題の解き方をしっかりと学ぶ必要があります。
ぜひ「応用情報技術者 午後問題の重点対策」で午後試験対策をバッチリにしてください!
オンライン講座
「時間がないから効率的に試験の対策をしたい」という人には、オンライン講座を受講することもおすすめです。
実績のある企業や講師が行っているオンライン講座は非常に分かりやすく教えてくれるため、効率よく必要な知識を定着させることができます。
また、オンライン講座では最新の傾向に合った試験対策をすることができるため、合格の確率を高めることができます。
合格のためには過去問は何年分解くべき?
応用情報技術者試験合格のために最も有効な過去問について、
- 午前:3~5年分
- 午後:5~8年分
を目安に勉強を進めていくことをおすすめします!
午前は3~5年
応用情報技術者試験の午前問題は少なくとも3年分、余裕があれば5年分解いておくべきです。
午前問題は過去問と同じ問題が本試験で出ることも多いため、午前問題の対策には過去問を解くことが最も効果的です。
また、午前問題は選択式の試験のため、ある程度の知識があれば合格点である6割の得点をとることは難しくありません。
もちろん時間に余裕があればたくさんの過去問に挑戦しておくべきですが、午後問題の対策時間も考えて、午前問題の過去問は3〜5年分を目安に取り組むことをおすすめします。
午後は5~8年
応用情報技術者試験の午後問題は最低でも5年分、できれば8年分解くべきです!
午後問題は午前問題と異なり、選択式の問題だけではなく記述問題も出題されます。
そのため、試験の形式に慣れるために午前問題よりも多く過去問に触れておくことが必要となります。
また、午前問題のように過去問と全く同じ問題が出題されることはないものの、問われる知識は例年そこまで変化がありません。
それどころか類似の問題が出題されたりすることもよくあります。
そのため、過去問を解いておくことで午後問題に必要な知識を定着させることができるのです。
午後問題の形式に慣れ、求められる知識を効率よく身につけるためにも、過去問を最低でも5年、できればそれ以上取り組むようにしましょう!
本番と同じ時間で解く
過去問を解く際には、必ず本番と同じ時間で解くようにしましょう!
応用情報技術者試験は午前と午後ともに150分という時間制限があり、この時間内に問題を解き切ることができるように慣れておく必要があります。
特に午後問題は多くの人が試験本番で「時間が足りない!」と焦る人が多い傾向にあるため、過去問を解く際にはしっかりと時間を意識して問題を解くようにしましょう!
過去問の時から時間を意識して問題に取り組むことで、本番も時間に余裕をもって試験を進めることができるはずです!
できなかった問題はもう1回解く
過去問を解いていて間違えた問題はメモしておき、復習した後、翌日以降にもう一度解くようにすることをおすすめします。
人間の脳は何度も頭に入れる情報を重要であると判断し、記憶しやすくなっています。
一度間違えた問題については、時間をおいて復習し、さらにもう一度問題を解くことで、脳に知識として定着させることができるのです。
過去問道場であれば間違えた問題をブックマークしておき、参考書の問題であれば付箋を貼って、後でもう一度問題を解くようにしてみてください!
問題が解けたら自信にもなりますし、解けなかった場合は再度復習ができるのでとてもおすすめです!
過去問を使った勉強方法
応用情報技術者試験では、午前は過去問ですべてのジャンルを勉強するのに対し、午後問題は分野を絞って勉強することが重要となります。
午前は数をこなす!
午前問題は幅広くすべての分野の問題が出題されるため、ジャンルを絞らず過去問に取り組むことが重要です。
応用情報技術者試験の午前問題は、様々な分野について「広く浅く」出題されます。
そのため、特定の分野に絞った学習をするよりは、すべてのジャンルの問題を解いて幅広い知識をつけておくことが重要となります。
また、午前問題は過去問と同じ問題や類似の問題が3割~5割程度出題されます。
過去問をやっておけば、苦手な分野が出題されたとしても、一度解いたことのある問題が出てきて得点することができる可能性も高くなります。
午前問題の対策としては、過去問を3~5年分解き、知識があいまいな分野については参考書を読む、という対策をすることで、高得点を取れるようになっていくはずです!
午後問題は分野を絞って勉強を!
応用情報技術者試験の午後問題は難易度が高く、時間も限られているため、過去問も分野を絞って学習することをおすすめします!
午後問題はIT初心者の方はもちろん、現場に出ているエンジニアの方にも難易度が高めの問題が多く出題されます。
それらすべての問題を対策していると時間が足りないため、あらかじめ解く問題の分野を決めておき、ジャンルを絞って過去問に取り組むことが重要です。
また、午後問題は同じ問題を何度も解くことで解き方のコツをつかむことができるため、5~8年分の過去問を繰り返し(最低2回)解いておくようにしましょう!
時間をはかる(1問あたり25分)
特に午後問題は本番で時間が足りなくなる人が続出しているため、過去問を時間をはかりながら解くことをおすすめします。
時間をはかりながら過去問を解くことで、本番で自分が1問あたりにどのくらい時間をかけていいのかが体感することができます。
これにより本番で時間のペース配分をミスすることがなくなり、余裕をもって問題に集中することができるはずです。
1問当たり25分、できれば20分で解けるようになることで、時間に余裕をもって試験を進めることができるようになります。
過去問は必ず時間をはかりながら取り組むようにしましょう!
午後問題の得点の取りやすいおすすめ分野
午後問題でおすすめの分野は
- ネットワーク
- データベース
- 組込みシステム開発
です!
残り2つの分野のうち1つは選択必須のセキュリティ、もう1つは自分が解きやすいと感じる分野に絞って勉強をしてみるといいと思います。
特にセキュリティは必須問題であり、午前問題にも出題される比較的得点を稼ぎやすい分野になるので、しっかりと対策をするようにしましょう!
午前と午後の過去問を5年分やっておけば、対策としては十分です!
ネットワーク
覚えることが限られており、午後問題の中でも過去問と類似の問題が出やすい分野です。
ネットワークというと複雑なインフラ知識を求められる気がしてしまいますが、出題されるのは午前問題の知識を少し応用した問題がほとんどです。
午後問題の過去問を3年くらいやってみると、最初は問題が解けなくても傾向を掴むことができるため、だんだんと得点率が上がっていくはずです。
問題の解き方さえ覚えてしまえば得点しやすい分野になっているので、ぜひ重点的に取り組んでみてください!
データベース
データベースの基礎知識を身につけておけば得点が取れる分野となっているのでおすすめです!
最初にデータベースの基本的な知識を身につける必要はありますが、試験で出る知識は限られており、午前問題と重複している分野がほとんどのため、難易度は高くありません。
また、過去問と類似の問題や解き方が同じ問題が多く出題される分野になっているので、過去問演習をしっかりやっておけば高得点を狙えるのも嬉しいポイントです。
組込みシステム開発
専門的知識がほとんどいらず、問題の解き方を分かっていれば得点が取れる分野です!
問題を解いてもらうと分かるのですが、組込みシステム開発の問題は知識問題がほとんどありません。
出題されるのは問題文から考察する問題ばかりなので、過去問を数回解けば解き方が分かるはずです。
計算問題も出題されるのですが、小中学校レベルの算数問題がほとんどです。
問題文を読み解く力さえ身につければ高得点が取れる分野になっていますので、ぜひチャレンジしてみてください!
過去問だけで合格できるか?
合格できる!
応用情報技術者試験に過去問だけで合格することは少し難しいと考えてください。
午前問題には何度もいうように過去問と同じ問題や類似の問題が出題されるため、過去問を解いておくことで得点率はグッと上がります。
午後問題についても、過去問を通じて問題の解き方を身につけることができるため、高得点を狙えるようになるでしょう。
ただ、過去問を解いただけでは合格に必要な専門的な知識がなかなか身につかないため、参考書や資格のための講座などを利用した学習も必要になります。
過去問で分からなかった分野の知識は参考書などを使ってしっかりと調べ、同じ知識が問われた時には解けるようにしておくことが重要です。
おすすめは「参考書→過去問→参考書⋯」の繰り返し
おすすめの勉強法は、「参考書→過去問→参考書⋯」と繰り返し勉強をすることです。
まず参考書をざっと読むことで試験に必要な知識を頭に入れ、次に過去問を解いて、自分の得意な問題や苦手な分野をあぶり出します。
苦手な分野や間違えた問題に関しては、参考書を利用して解法や知識を復習することで、自分ができなかった問題が解けるようになっていきます。
そしてまた過去問を解き、分からなかった問題について復習し⋯と繰り返していくことで、自分の苦手を克服し、得点率を高めることができるのです。
地道な努力が必要となりますが、最も効率的で効果的な勉強法だと考えています。
ぜひ「参考書→過去問→参考書⋯」と繰り返し勉強をしてみてください!
基本情報技術者試験を受けていなくても合格できる?
過去問だけで合格は難しい…!
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験を受けていなくても合格することは可能です!
応用情報技術者試験の内容は基本情報技術者試験の内容を応用版にしたものですので、基本情報技術者試験の知識があった方が問題を解きやすいのは事実です。
ですが、基本情報技術者試験の内容はそこまで複雑ではなく、また応用的な知識と関わっている部分も多いため、わざわざ基本情報技術者試験を受けてから応用情報技術者試験を受ける必要はありません。
実際に私の友人もいきなり応用情報技術者試験を受けて一発合格しています。
基本情報技術者試験を受けていなくても、応用情報技術者試験に合格することは可能です!
基本情報技術者試験合格のためにはこちら!
不安な人はオンライン講座がおすすめ!
応用情報技術者試験に合格できるか不安な人は、オンライン講座を使った学習も検討してみてください!
なかなか勉強する時間がなかったり、本を読んで勉強するのが苦手な人にとって、今回紹介した学習法は辛いものがあると思います。
オンライン講座であれば応用情報技術者試験の対策のプロが試験に出る重要な部分に絞って講義をしてくれるため、効率的に知識を身につけることができます。
ネットラーニングであれば、本番さながらの模擬テストを通じて試験慣れすることができると共に、試験に必要な知識だけを効率的に学ぶことができるのでおすすめです。
まとめ
応用情報技術者試験は過去問を解いて対策をすることが最も効果的です。
午前問題は3~5年分、午後問題は5~8年分解いておけば、ほとんどの問題に対応することができるはずですし、類似の問題が出た時に得点できるようになるでしょう!
そして、過去問は解きっぱなしにするのではなく、必ず復習し、もう一度問題を解くようにしてください!
こうすることで知識や問題の解き方が頭にしっかりと入ってくるので、得点率がグッと上がってきます。
ぜひ今回紹介した過去問を使った勉強法を通じて、応用情報技術者試験の合格を目指してみてください。
皆さんの合格を心から応援しています!
基本情報技術者試験合格のためにはこちら!
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