応用情報技術者試験の資格は、IT業界で活動するうえで自身の高いスキルを証明することができる資格です。大学生や大学院生の中には「大学のうちに取得しておきたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、気になるのが応用情報技術者試験における大学生の合格率や難易度ですよね。「大学生でも合格できるのかな⋯」「文系だけど難しいんじゃないかな⋯」と不安に思う人も多いでしょう。
そこで今回の記事では、応用情報技術者試験の大学生の合格率や難易度についてまとめていきたいと思います。
【著者の紹介】
未経験でITエンジニアになった後、基本情報技術者試験に3か月の勉強で合格(2021年11月)。
その後3か月の勉強で応用情報技術者試験に合格(2022年6月)。
目次
応用情報技術者試験の大学生の合格率は32.1%
応用情報技術者試験の大学生の合格率は、令和4年秋の試験において32.1%となっています。10人に7人は落ちてしまうため、簡単には合格できない試験となっています。
応用情報技術者試験ではIT業界の幅広い知識が問われる試験となっているため、少し勉強しただけでは合格することが難しい試験です。
社会人より大学生の方が受かりやすい
全体の合格率は24.3%となっており、大学生の方が合格率が高くなっています。社会人になると勉強時間の確保が難しくなる人が多くなるため、十分な対策ができずに試験に臨む人も少なくありません。学生の方がしっかりと試験の勉強をできる分、合格率が高くなっているのでしょう。
現場で活躍しているITエンジニアでも、勉強をしっかりしていないと落ちてしまう人も多い試験となっています。応用情報技術者試験は大学生だから受かりにくいわけではなく、非常に難しい試験なのです。
大学院生は約40%が合格
大学院生の合格率は約40%となっており、全体でみて非常に合格率が高くなっています。受験している大学院生の多くが理系の大学院生であるため、ある程度専門知識もあり、試験の学習意欲も高いのでしょう。
とはいえ、大学院生でも10人に6人は落ちる試験であるため、試験の対策はしっかりと行う必要があることが分かります。
大学生にとって難易度は高め
応用情報技術者試験は、大学生にとって難易度が高くなっています。
そもそも応用情報技術者試験は、「高度IT人材となるために必要な応用知識・技能を持つことを証明する」資格です。ITエンジニアとして現場で求められるITの基本的・応用的な知識が問われる試験となっており、覚える内容は多岐にわたります。
情報系の大学で勉強をしている大学生だとしても、大学で学んだことがない内容の問題が多々出題されており、なめてかかると痛い目をみるでしょう⋯。
応用情報技術者試験は、大学生にとって難易度の高い試験となっているのです。
ネット上の簡単という言葉に騙されないで
ネット上には「応用情報技術者試験なんて簡単」という言葉が多く飛び交っていますが、実際に受けた身からすればそんなことはありません。しっかりと勉強をする必要があります。
ネット上の発言の多くは信憑性に欠けており、「なぜ簡単なのか」という部分を説明できていません。簡単と言っている人の経歴や勉強時間が明らかではないため、安易に信じてはいけないのです。
私の場合、応用情報技術者試験の勉強時間は合計150時間程度です。また、ITエンジニアとして働き出して3か月程度の時期から勉強を始めていました。ほぼ未経験の状態であれば、ある程度の学習が必要になってくることが分かるのではないでしょうか。
応用情報技術者試験は覚えることも多く、ネット上でよく言われるような簡単な試験ではない、という認識を持ちましょう。
文系の大学生でも合格できる
応用情報技術者試験は難易度は高くなっていますが、文系の大学生でもしっかりと勉強をすれば合格できる試験です。
応用情報技術者試験は難易度は高いものの、勉強時間をしっかり取れば合格することは可能です。特に大学生であれば十分な学習時間を確保できるので、しっかりと試験の対策をすれば合格することができるでしょう。
最初は分からないことだらけで合格できるか不安になると思いますが、経験者でも最初は難しいと感じる分野も多い試験です。焦らずゆっくり勉強を進めてみてください。
文系の大学生でITの知識があまりない場合、過去問とイラスト付きの参考書を用いた学習がおすすめです。ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
大学生のうちに取得するメリット
応用情報技術者試験を大学生のうちに取得するメリットは大きく2つです。
- 就活に有利になる
- 社会人になる前に取得できる
就活に有利になる
応用情報技術者試験の資格を持っていることで、IT業界の就職に非常に有利になります。応用情報技術者試験に合格していることで高度なIT知識を持っていることをアピールできます。IT系の職種の就活で他の学生と差別化することができるようになるでしょう。
また、今後ITの知識はどの業界でも必要になると言われています。IT系の職種でないとしても、応用情報技術者試験の資格を持っていることで「今後うちの会社で必要になる人材かも!」と考えさせることも可能です。
応用情報技術者試験の資格を持っていることは、就活において非常に有利にはたらくでしょう。
社会人になる前に取得できる
忙しくなる社会人になる前に応用情報技術者試験に合格しておくことは大きなメリットです。
社会人になると仕事や責任が増えるため、資格の勉強をする時間が十分に取れないという人は少なくありません。また、普段仕事で疲れていると、休日や家に帰ってから勉強するのが辛いという人も非常に多いです。
私も応用情報技術者試験に合格するために3か月ほど休日を勉強時間に当てていましたが、その分遊べなくなり、ちょっと辛かったです⋯。
時間のある大学生のうちに応用情報技術者試験の資格を取得することで、その後の人生が楽になるでしょう。
大学生のうちに取得するデメリット
大学生のうちに応用情報技術者試験を受験するデメリットは、主に金銭的な面です。
- 受験費用が高い
- 資格奨励金がもらえなくなる
受験費用が高い
応用情報技術者試験の受験費用は税込7500円となっています。安い金額ではないため、不合格になった時のことを考えると、簡単に受験の申し込みをしようとはならないのではないでしょうか。
しっかりと勉強時間を確保し、合格のめどが立った状態で試験に申し込むようにしましょう。
資格奨励金がもらえなくなる
大学生のうちに応用情報技術者試験に合格してしまうと、企業によっては制度を導入している「資格奨励金」が貰えない可能性があります。
社会人になると、資格を受験して合格した場合、企業から資格奨励金が出ることが多いです。企業によって制度の導入や資格ごとの金額が異なりますが、応用情報技術者試験は難易度の高い試験であるため、数万円の奨励金をもらえる企業が多くあります。
また、企業によっては不合格の場合も受験料を負担してくれることもあります。大学生のうちに応用情報技術者試験に合格してしまうと、奨励金がもらえなくなってしまうというデメリットがあるのです。
基本情報技術者試験を受けていなくても合格できる
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験を受けていなくても合格することが可能です。
応用情報技術者試験で勉強する内容は基本情報技術者試験の応用版となっています。そのため、応用情報技術者試験の勉強をすることで自然と基本情報技術者試験の内容も勉強することができるのです。
もちろん、基本情報技術者試験の勉強をしている方が知識の定着は早いです。しかし、「基本情報技術者試験の勉強をしていないと理解できない」という分野は特にありません。
基本情報技術者試験に合格していなくても応用情報技術者試験に合格することは十分可能でしょう。
過去問を中心に勉強を進める
応用情報技術者試験の勉強は過去問を中心に進めることが重要です。応用情報技術者試験は午前問題と午後問題に分かれているのですが、どちらも過去問で試験の傾向をつかむことができるため、効率よく学習を進めることができます。
特に午前問題は本番で過去問と同じ問題がいくつも出題されるため、過去問を解くだけでも得点アップを狙うことができるでしょう。
おすすめの参考書
応用情報技術者試験の学習におすすめの参考書は「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」です。イラストが多い参考書となっているため、応用情報技術者試験初心者でも分かりやすくなっています。
また、各分野の章末にはおすすめの過去問も載っているため、知識を定着させつつ、問題の演習もすることができるようになっています。
時間がない人はオンライン講座で学習を
まとまった時間を取ることが難しかったり、勉強時間をあまりかけたくない人は、オンライン講座がおすすめです。オンライン講座であれば応用情報技術者試験に精通しているプロが丁寧に試験で合格するための重要ポイントをまとめてくれているため、効率よく学習を進めることができます。
まとめ
応用情報技術者試験の大学生の合格率は32.1%となっており、難易度は高めです。合格のためにはしっかりと勉強をする必要がありますが、時間のある大学生のうちに応用情報技術者試験の資格を取っておくことは、その後のキャリアで役立つ可能性が高いです。
過去問や参考書を活用し、応用情報技術者試験の合格を目指してみてください!
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